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2005年9月24日 (土)

バザールモデルとWindows

Eric S. Raymondの「伽藍とバザール」以来、「バザールモデル」がオープンソースの代名詞になりつつあるようだ。

しかし、考えてみればWindowsの開発モデルとLinuxの開発モデルはそんなに違わないのではないか。

Windowsのコードは、Microsoftの製品開発グループが担当する。
品質や全体の整合性の問題で、製品には入らないが、便利なツールはSupport ToolsやResource Kitに入る。
開発グループ以外の人が作成したツールは有償あるいは無償で公開される。
登録されたテスターには、先行して情報が公開され、報告したバグに対するトラッキングも可能。
登録していないテスターの報告窓口は分かりにくいけど、メーリングリストやNews Groupに投稿すれば登録テスターが確認の上報告してくれる(かもしれない)。

Linuxおよびその周辺プロジェクトでも、コードのチェックインが可能な人は少数だし、その下の階層にツールのContributionをする人、詳細なテストを行う人、単に使って気付いたことをレポートする人がいる。

YamaKenが言うとおり、モデルとしてはそんなに変わらないのではないだろうか。
確かに、バザールモデルほど速いサイクルでは回っていないかも知れないけど(その是非は両論ある)、モデルとして違うとは思えない。

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2005年9月19日 (月)

IT業界と政治的な発言

レーガン大統領時代、「戦略防衛構想(SDI)」という計画があったことを覚えている人はいるだろうか。

Star Wars計画とも呼ばれたこの案は、大陸間弾道弾を人工衛星からのレーザーで打ち落とという内容も含まれていた。

SDI計画のまっただ中、米国のコンピュータ学会(ACM)の学会誌CACMには、SDI計画がソフトウェア技術的な観点からいかに無謀かということを指摘した論文が掲載された。

論文の内容は、要するに「大規模ソフトウェアの信頼性」ということで、それほど目新しくもなかったが、政府政策に反対する論文ということで話題になった。

ところで、日本でも RF IC タグによるプライバシー侵害が懸念されている。
日本のコンピュータ関連学会でもっとも権威があるのは情報処理学会だと思うが、RF IDについて意見を言ったという話は聞いたことがない。いや、あるかもしれないが覚えていない。

『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?』(マイリスト参照)の著者、森健氏によると「実際にインタビューすると、技術者は問題点をよく分かっている」という。

だったら、もっと発言して欲しいのだが、会社員という立場上なかなかそうもいかないのだろう。残念なことである。

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2005年9月10日 (土)

生体認証に反対します

生体認証あるいはバイオメトリックス認証というのはどうも胡散臭い感じがする。
認証とは「私が確かに私であることの証明」である。
では、そもそも「私」とは何か。それは「独立した他とは違う人格」ではないのか?

生体認証は、身体認証であって、人格の認証ではない。
脳移植された人が出てきたらどうするのか?
記憶は、ある程度人格の一部だから、記憶に頼る「パスワード」の方がむしろ適当ではないのか。
もちろん、破られにくいパスワードを記憶する困難さというものはあるわけだけど。

最近面白いと思ったのは、画像や単語の順序をパスワードにするという方法。
個人的な体験の順序を示すことで認証に代えるものだという。

たとえば、池袋→荻窪→初台→新宿と並べられればOKとか。
ちなみに、これはぼくの勤務先のオフィスの引っ越し順。
パスワードの原則は「自分だけが知っていて、他の人は知らないこと」だから、オフィスの場所ではあまりに安易だが、少しひねればいいパスワードになると思う。
(が、「ひねれば」というところが難しいのだな)

そういうことを前から考えていたところ、森健氏の著作が出版された。

「『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか─情報化がもたらした「リスクヘッジ社会」の行方』
http://www.aspect.co.jp/np/details.do?goods_id=652

認証の話だけではなく、広くインターネットに関連する技術のリスクについて論じられている。機会があればぜひ読んで欲しい。
認証の話は最後の方に出て来る。ビッグ・ブラザーは私たちに望まれて登場するのではないか、という指摘は刺激的である。

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2005年9月 4日 (日)

リコーGR-1デジタル

リコーGR-1デジタル発表ということで、一部マニアは大騒ぎのようです。

かくいうぼくも、GR-1の前身となったR-1を長いこと使っていたので気になってます。GR-1のような高級コンパクトカメラと違って、R-1は単なるコンパクトカメラなのだけど、とにかく小さい。初期のデジカメよりも小さい。

ところが、GR-1の写真を見てびっくり。意外に大きい。ここ数年のデジカメの小型化には目を見張るものがあります。

ところで、R-1、実際に使ってみるとAFは遅いし、シャッターボタンのタイムラグもかなり大きいし、それほど使いやすいものでもありません。焦点距離30mmというのも、ぼくにとってはちょっと広すぎる。

だからといってGR-1を買うほどの気合いもなかったので、今はコンパクトカメラはデジカメです。でも、GR-1デジタルの仕様によってはうっかり買ってしまうかも。

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マイリスト作りました

最近読んで面白かった本を中心に「マイリスト」を作りました。

自著のマイリストも作っておきます。

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2005年9月 3日 (土)

Announce

遅ればせながらブログというものを始めてみました。

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