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2006年12月14日 (木)

「Winny裁判」京都地裁判決に思う

読み返してみたら、なんかむちゃくちゃな展開ですが、面倒なのでそのままにしておきます。

ファイル交換ソフト「Winny」の開発・公開をめぐる刑事裁判で、京都地裁は開発者の金子氏を有罪とした。IT Pro Watcherでは小飼弾氏が皮肉を込めた感想を書いている。私の意見は、IT Pro Watcherに掲載されているので、ここではちょっと違った話を書く。

マンガ「サイボーグ009」で、ギルモア博士は「科学者は、好きな研究さえできれば、どんなことでもやる」と言った。ギルモア博士は、ブラックゴーストという団体(会社?)で、兵士あるいは武器としてのサイボーグを研究をしていた。その成果が001から009である。ギルモア博士は「良い人」ということになっているが、実際には紛争の原因を作った責任者なのである。

ギルモア博士は、後に反省してブラックゴーストと袂を分かつ。当然、ブラックゴーストに狙われるので「余生は、義手義足の改良に力を尽くしました」ということにはならない。

さて、現実はどうなのだろう。研究者の倫理観と言えば、米国の原爆研究(マンハッタン計画)がよく引き合いに出される。しかし、少なくとも最初の同期は「ドイツよりも先に原爆を作る」という、彼らなりの倫理観の結果であっただろう。問題は、その後、ナチスは原爆製造の技術スキルがないことが分かっても、計画を中断しなかったことか。

しかし、ドイツが作らなくても日本が作るかもしれないという思いはあっただろうし、仮に中断していたとしても、米ソ冷戦時代に復活しただろう。そうしたら、最初の被爆国はキューバだったかもしれない。

アインシュタインは、原爆の理論的根拠を提供したことを悔やみ、バートランド・ラッセルとともに宣言を出す。ラッセル=アインシュタイン宣言である。

実際のところ、最初から悪用されることを考えて技術を利用する人は少ない(と信じたい)。ノーベルはダイナマイトを作ったが、そのために大規模な工事が短期間にできるようになった。兵器として流用したのはノーベルではない。兵器としてのダイナマイトを憂い、ノーベル賞を創設したのは有名な話である。

こうしてみると、どうやら「世の中のために」という動機を持ち、「悪用されたことを悲しむ」と良いらしい。Winny作者の金子氏も「欠点は分かっていたが、あとで改善しようと思った」「こんなに早く普及するとは思わなかった」「反省したので、Winny基金を作ります」おっと、金儲けをしていないからこれは無理か。とにかく、そういう風に世論に訴えれば無罪になったのではないかな、と思う。

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コメント

利権絡みの視点で白黒をハッキリさせると大変ですよね。

今回の裁判結果が判例となって
今後、不思議な裁判結果が生まれないことを祈ります。

投稿: ken1 | 2006年12月14日 (木) 10時47分

利権絡みの視点で白黒をハッキリさせると大変ですよね。

今回の裁判結果が判例となって
今後、不思議な裁判結果が生まれないことを祈ります。

投稿: ken1 | 2006年12月14日 (木) 10時48分

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