« 書籍『ネットはテレビをどう飲み込むのか?』 | トップページ | 『メディア・バイアス - あやしい健康情報とニセ科学』(続き) »

2007年8月15日 (水)

『メディア・バイアス - あやしい健康情報とニセ科学』光文社新書

13冊目『メディア・バイアス - あやしい健康情報とニセ科学』光文社新書

著者は農学部のマスターで、元毎日新聞記者。
さまざまな俗説を打ち砕く衝撃の本。
マイナスイオンが、意味のないでたらめな理論だということは誰でも分かるわけですが、食品に関してこんなに問題があったとは。

「トンデモ本」と違って、査読付き論文をベースにしているので、信憑性はかなり高い。
「買ってはいけない」レベルの本と一緒にしないように。


●食物繊維が大腸ガン予防に有効
オリジナルの研究レポートの見出しは「食物繊維と大腸ガンの相関関係はなし」だったのに、「例外的に、普段から極端に食物繊維摂取量の少ない女性には有効」という部分だけが大きく報道された。

●無農薬野菜はアレルゲンとなる物質を含む可能性が高い
数十年前と違い、現在の農薬はかなり厳しい審査があり、残留分はほとんどない。
一方で、農作物は病気になると自己免疫機能により、農薬に似た物質を自己生成し、こちらは残留する。
これがアレルゲンになる。

また「有機野菜が身体にいい」という実験データは世界中のどこにもなく、それはライフスタイルの問題である。
英国の食品基準庁も「有機野菜が身体にいいとか、栄養価が高いという証拠はない」としている。

●遺伝子組み換え大豆の危険性は誰も立証していない
日本で公演したロシアの科学者は「ラットの半数が死んだ」という実験データを出したが、死んだラットには非加熱大豆タンパク、死んでいないラットには加熱大豆タンパクを与えていた。
非加熱大豆タンパクはそれ自体が毒性を持つ。
日本では3世代、米国では4世代のラットの実験が行われているが、有害という結論は(まだ)出ていない。

等々...
俗説のほとんどは実験条件があいまいだったり、不正確だったり、特定のスポンサーが付いている。
俗説を否定する実験はすべて査読付き論文。
どちらが信憑性が高いかは、ちょっと科学をかじった人ならすぐ分かる。
査読付き論文が正しいという保証はないが、より確からしいことは言える。

|

« 書籍『ネットはテレビをどう飲み込むのか?』 | トップページ | 『メディア・バイアス - あやしい健康情報とニセ科学』(続き) »

コメント

無農薬野菜の方がアレルギーを起こす可能性が高いのですか。有機野菜の方が体にいいはずだと思ったことはないのですが、有機野菜の方が悪いかもしれないとも思ったことがなかったので、目から鱗です。
もしかしたら、近年問題になっているアトピーなどの病気は、農薬まみれの(アレルゲンの少ない)野菜で育った人が、有機(アレルゲンの多い)野菜を食べるようになって引き起こされていたりして。
だとしたら、子供のうちは有機野菜をあえて食べさせて抗体を作り、安い農薬まみれの野菜に徐々にシフトしていくというのが有効な対策だったりして :p

投稿: N | 2007年8月15日 (水) 04時18分

アレルゲンが増えたから、実際のアレルギーが増えるという単純な話ではなさそうです。
今の仮説として有望なのは「衛生的になりすぎて免疫力が低下した」という説のようです。
だからといって、不潔にすると別の病気リスクが増えるので困ったことですが。

とにかく「XXは身体にいい/悪い」という単純な説は全部間違いと思った方がいいようです。
いい面もあれば悪い面もある、ということで。

投稿: 横山哲也 | 2007年8月15日 (水) 12時47分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/127966/16119618

この記事へのトラックバック一覧です: 『メディア・バイアス - あやしい健康情報とニセ科学』光文社新書:

« 書籍『ネットはテレビをどう飲み込むのか?』 | トップページ | 『メディア・バイアス - あやしい健康情報とニセ科学』(続き) »