完成度の高い歌詞―『夢に歌えば』宮崎奈穂子
『歌・こよみ365』のテーマソング『夢に歌えば』の歌詞についての続きです。一部内容は重複しますがご容赦ください。
前回、『夢に歌えば』は、『路上から武道館へ』のエピソードがうまく隠されていて、本当に完成度の高い曲になっているという話をしました。
たとえば「見知らぬ誰かが私を見つけて、いい歌だと言った」という下りがあります。
これは、明らかに「路上から武道館へ」のエピソードで、初めて路上ライブをやったとき、最後に1人だけ「いい歌だね」と言われるシーンです。
『夢に歌えば』では、具体的なエピソードを隠すことで、イメージを広げることに成功しています。
また、以下の下りは、言葉が凝縮されていて、心に響きます。
今の私には 歌を作ること 路上で歌うこと
夢に歌えば 必ずかなう あなた教えてくれた
「今の私にできることは」と言わず、「今の私には」と言い切り、さらに「必ずかなう」と続けるところが新鮮です。
「必ずかなう」と教えてくれた「あなた」は、直接的には「いい歌だ」と言った見知らぬ人でしょうが、実は聞いている人、つまり「私」のことも指しているように思えます。
これにより、歌い手と聞き手が一体になるような効果が出ています。
本当にいい歌なので、おすすめします。
【参考】Amazon.co.jpで購入できます(カップリングが「夢に歌えば」)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント