【読書日記】オタク学入門
岡田斗司夫「オタク学入門」新潮文庫
今年10冊目
1996年に出版されたものを、文庫版で新装刊。
オタクがどんな風にものを見ているのかという入門書兼解説書。
こっちを先に読めば良かった。
ああ、そういえばこういう見方もしていたな、という印象。
自分で意識していなかった部分、全くしていなかった部分の両方があって(でも、そういう見方があることは知っていた)面白かった。
一番おかしかったのは「SONY SL-J9」のあるところにオタクが集まるという話。
SL-J9(通称ジェイ・ナイン)は、スロー、コマ送りが可能なベータマックス式ビデオデッキ。
ちらつきなしのコマ送りはこれが最初だったはず。
そりゃあ、もう、集まりましたよ、毎週。
機動戦士ガンダムの頃は、J9がまだなかったこと、関西では木曜日の午後5時という時間だったので、学校が終わってから、学校の近所の友人の家で見てました。
彼の家には珍しくビデオデッキがあったので、一応録画して、前の週に見逃した人のための上映会もやってました。
でも、テープは高価だったので、2週以上は保存せず、上書きしてました。
おかげでガンダムの終わることにはテープがよれよれ。
さて、巻末に追加された岡田斗司夫・富野由悠季対談は面白かったけど、本編の方は「オタクはすでに死んでいる」を読んだあとだと、絶滅文化の紹介記事に見えてしょうがない。
ローマ人の宴会は、食べたものを吐いて...
スパルタの軍事訓練は...
なんか、そんな感じ。
ところで、「オタクはすでに死んでいる」で書き忘れたこと。
「第1世代のオタクにとって宅八郎の登場は不快ではなかった」
というのは、まさにその通り。
彼の行動は明らかにテレビを意識したものだったので
「そこまでやるか」と感心はしたけど不快な感じはしなかった。
一般的に不快感を与える演出だと思ったけど、オタクにも不快感を持つ人がいたというのは初めて知ったくらい。
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