【読書日記】フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略
クリス・アンダーソンの有名な本。
FREEにまつわることが網羅されていて最後まで面白く読めました。
まとめると
- ・無限に複製可能な情報(ビット)は無料になる。
- ・大量生産(複製)可能な物体(アトム)は安価になる。
- ・複製できない「個人体験」こそが価値を持つ。
ということでしょうか。
また、フリーで利益を上げるには
- 広告(Googleなど)
- 便利なオプション(ゲームのアイテムなど)
- プレミアサービス(ニコニコ動画など)
- 他の商品(コンサートに対するCDなど)
などが出ていました。
インターネットはほぼ「完全市場」と考えてもいいのに、需要と供給で価格が決まるのではなく「誰から」「どうやって買うか」が重視されるというのは、なんだか市場経済以前に戻った感じです。
なお、IT分野の内容には一部事実誤認や日本市場と合わない部分があります。
だからといって、本書の価値が下がるわけではありませんが、引用するときは注意してください。
私が気付いたのは以下の点です。
●P.135
ビル・ゲーツの公開書簡はホビイストの大反発をかい「俺たちが無料でコピーして使ってやっているから普及したのだ」と開き直る人も多かったと聞いています。
一般向けにはもともと有償ですし、ホビイスト向けには効果がなかったはずです。
●P.138 Netscape Navigator
無償化されたのはずっとあとで、当初は有償でした。
無償なのはベータ版で、製品版が出ると次のバージョンのベータ版が無償公開されていました。私も1本購入したので確かです。
●P.138 WORKS
これ、日本においては、マイクロソフトの数多い失敗ソフトで、WORKSをバンドルしたメーカーは多くないはずです。 米国ではそれなりに売れたそうなので、誤りとは言えませんが。
●P.149 IEの市場シェア
30%まで落ちたことはないはずです。
最近「ついに60%を割り込む」というニュースが入っています。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント