【読書日記】俺たち訴えられました!
「俺たち訴えられました!」烏賀陽弘道・西岡研介(河出書房新社)
取材記事がJR東労組などから訴えられている西岡研介氏と、コメントが意図しない形で掲載されてオリコンから訴えられていた烏賀陽(うがや)弘道氏の対談、じゃなくて「相互インタビュー」。
二人ともジャーナリストではあるが、西岡氏の場合は周到な準備をして裁判対策をしているのに対して、烏賀陽氏は全く無防備。
西岡氏はその点を鋭く突っ込んで来るのが面白かった。
もっとも烏賀陽氏は、電話取材で出したコメントが意図しない文脈で引用されることで訴えられている。準備しておくのは無理だと思う。
似たような経歴の2人で、どちらも「嫌がらせ訴訟(SLAPP)」の被害者であるが、本当に恐いのは烏賀陽氏の方。
烏賀陽氏の裁判は「ジャーナリストが訴えられた」のではなく「コメントを求められた一般人が訴えられた」と考えた方が適切。
本書の主張は、一貫して「オリコンは嫌がらせのために訴訟を起こした」ということだが、そのことをブログに引用しただけでオリコンから名誉毀損で訴えられる可能性もある。
(このブログだって危ない)
烏賀陽氏に降りかかった災難は、あらゆる人に降りかかってくる可能性がある。
合法的なテロみたいなもんである。
前に、オリコンSLAPP事件について、皮肉を込めて「(あなたがジャーナリストでないのなら)謝ればいい」と雑誌に書いたことを反省している。
オリコンは「謝れば許してやる」とプレスリリースを出したけど、他の会社は謝っただけで済ませてくれないかも知れない。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
最近のコメント