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2014年11月

2014年11月23日 (日)

「未来へ……」新井素子

新井素子さんの作品は、一時期かなりはまっていて、文庫化などであとがきが変わるたびに同じ本を買っていたくらいです。

今、Wikipediaで調べたら「ディアナ・ディア・ディアス」(1985年)で止まってました。

その後「チグリスとユーフラテス」(1999年)は読んで、これはとても面白かったんですが、その後もまたブランクがあって、復刊された「……絶句」を再読、読んでなかった「ブラックキャット」シリーズの後半を読んでいるうちに、「新井素子研究会」というTwitterアカウントを知り、そこから昨年出た「イン・ザ・ヘブン」を読みました。

イン・ザ・ヘブン」は、短編集で、どれも面白かったんですが、特に表題作の「イン・ザ・ヘブン」が一番強い印象に残っています。最初は人情話かと思ったら、途中から一気にSFになり、余韻の残るラストまで引き込まれました。

そうして、先日、新刊「未来へ……」発売記念トーク&サイン会が開催されるということで、行ってきました。この時の様子は「新井素子『未来へ……』発売記念トーク&サイン会(追記あり)」をご覧ください。

未来へ……」は、時間もののSFです。どこまでストーリーを書いていいものか分からないので、これだけ先に書いておきます。

「未来へ……」は、実にいいタイトルです。
このタイトルの良さを知るために、全部読んで欲しいと思います。

以下、ネタバレだろうが何だろうが、気にせず書きます。クララが立つことも、沖田艦長が死ぬことも、アクロイド殺人事件の犯人も、知っていても面白い作品は面白いんです。

ですが、結末を知りたくない人もいるでしょうから、そういう人はここから先は読まないでください。でも、なるべく本質的なことは書かないようにします。


2012年、成人式を迎えた菜苗は、香苗という双子の姉がいたことをかすかに覚えていた。菜苗は、成人式を機会にしまい込んでいた仏壇を出して欲しいと言う。それがきっかけになったのか、母親の若葉は1996年の夢を見る。しかも一晩で1日進む、リアルタイム進行の夢を。

1996年は、香苗が遠足に行くバスの転落事故で亡くなった年。若葉は、香苗を救おうと夢の中の自分に語りかける。

最初は、香苗だけを休ませるつもりだったが、1996年の若葉は、他の子を見殺しにはできないと反発する。そのため、遠足自体を回避する方向で検討するがうまい方法が見当たらない。

バスジャックして「バスを止めなければ自殺する」と脅そうかという、あまり良いとは言えない案しか思いつかないまま当日を迎えたが、バスが停車中、香苗が突然走り出し、追いかけているうちにバスが遅れ、事故を回避できる。

前夜、菜苗が香苗に夢でメッセージを送ることができ、とにかく逃げろ(走れ)と伝えたからだ。

走れ、未来は、その先にある。未来に向かって、走れ

翌朝、目が覚めたら香苗がいた、ということはなく、いるのは菜苗だけ。バスジャック計画を立て始めた頃から過去は徐々に変わっていき、事故を回避されたところで過去は別の道を歩んだらしい。改変されたここから先の未来はパラレルワールドになると別のところで示唆されていたので、これは納得できる。

以上が、ものすごく大ざっぱな本書のストーリーである。

作者の新井素子は「楳図かずおの『漂流教室』に登場する、子供が消えた母親を描きたい」と書いていたが、母の気持ちが本当によく伝わってきた。同時に、娘の菜苗の、母を思う気持ちも本当に良かった。

トークイベントでは「もともとこんなに仲良くさせるつもりはなかった」とおっしゃっていたが、実にいい作品に仕上がったと思う。

仮に香苗が助かっても、それはパラレルワールドに進むだけであって、死んだ人が生き返るわけではないし、逆に何かの事情で自分が消えてしまうかもしれない。それでも、今、死のうとしている娘を助けられるなら何でもするという気持ちは十分に伝わってきた。

香苗は香苗で、就職活動を控えた自分の存在を忘れたかのように、死んだ姉の心配をする母に対して、本当に良くサポートしていたのが素晴らしい。

新井素子は、若い頃は「命を食べる」ということがテーマの作品が多かった。デビュー間もない頃の作品には、人肉由来の「ヒトタンパク」が登場するし、「グリーンレクイエム」では植物であっても「命を食う」ことに差はないと主張し、「ひとめあなたに…」ではカニバリズムまで登場する。前期新井素子の集大成である「…‥絶句」では、人間が他の動物を犠牲にしていいのかと問いかける。

ついでに書いておくと「二分割幽霊奇譚」に登場する吸血鬼は「血を吸うと言っても、死ぬまで吸うわけじゃない」というところにも彼女の世界観が出ている。さらについでに「吸血鬼に血を吸われた人が吸血鬼になったら、世界中みんなが吸血鬼になる、そんな訳あるか」には笑った。

そんな風に「食」を描いていたのが「チグリスとユーフラテス」や短編集「イン・ザ・ヘブン」では種の維持という話になる。

テーマは変わっても、根本にあるのは「命」である。そのテーマが、年齢とともに広がっていて、さらに面白くなっている。

だいたい、生物が生きる目的は「現在の命=個体維持=食事」と「次の命=種の維持=生殖」しかないわけだが、そこに正面から向き合っている作品は意外に少ない。

しかし、本書が面白いのは関係の多重性にある。娘のことを「種の維持」のためと考えている母はいないだろう(江戸時代の武家だって、娘は「家」の継承者ではない)。百歩譲って「守るべきもの」=「種の維持」と考えたとしても、成人すれば自分をサポートしてくれる「大切な人」になる。

「未来へ……」では、ぼーっとしているように見える娘の菜苗が、周りが見えなくなっている母親をしっかりサポートするところが見所である。こういう娘がいるなら、親も悪くないかもしれない。

本当に面白い本だった。自信をもっておすすめする。


未来へ・・・・・・

 

おまけ

2つだけ気になったことがあります。

1つは老眼の記述。「字が小さいので目を近付ける」という記述がありますが、老眼になると、むしろ目を離さないとよく見えません。でも、小さい字は離すとますます小さく見えるので、どっちにしても結局読めません。

新聞の縮刷版を読むのは、老眼鏡なしには無理ではないかと思います。ただし、近視の人はもともと焦点距離が近くにしか合わせられないので「メガネをはずして近くで見る」という手が使えるかもしれません(現在の私)。

もう1つは「お姉ちゃんだから」という表現。実は私の妹が一卵性双生児で、母からよく話を聞きました。大原則は「2人は平等だけど別の人間だから、比較しない」「同時に生まれたのだから姉も妹もない」、そして「必要以上にべったりしないように、学校のクラスは分けてもらう」です。

姉妹の区別をしないというのは本当に徹底されていて、家庭内ではただの一度も聞いたことがありません。先日、遺産相続の書類を書くとき、母との続柄欄に「長女、次女って書くのかな?」と躊躇して「子でいいのでは」という議論があったくらいです(保険会社の記入例も統一されておらず、結局「長女・次女」にした)。

2人を平等に育てたはずの若葉さんが「お姉ちゃんだから我慢しなさい」と言うのはちょっと不自然な気がします。

あと、一卵性双生児でも性格は違う。これは正しいんですが、体質は同じなので、一方が病弱っていうのもちょっと不自然です。幼い頃に1人だけ病気になったとか言うなら分かります。

ちなみに、正面から撮った写真だったら、2人の区別は付きますが、横顔で暗かったりすると難しいですね。母も時々間違えてました。

「運転免許は1枚でいいのでは、誕生日も同じだし」という冗談もありました(もちろんその種の不正は一度もしていませんw)。

大人になると、徐々に変わってきて、差が大きくなるんですが、それでも葬儀屋さんはそっくりな顔しているのでびっくりしてました。

双子の話を書くのだったら、聞いてくれれば良かったのに(笑)。

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新井素子『未来へ……』発売記念トーク&サイン会(追記あり)

11月22日(土)の連休初日、秋葉原の書泉ブックタワーで、新井素子さんの『未来へ……』発売記念トーク&サイン会がありました。


未来へ・・・・・・

ご存じない方もいらっしゃるかも知れませんが、新井素子さんは高校生のとき、奇想天外というSF雑誌の新人賞でデビューした方です。詳しくは「SF小説『.....絶句』(新井素子)について」を見てください。

初めてお会いする新井素子さんは、最初に作品を読んだ30年と同じお顔でしたが、身体は少々ふっくらされたようです。

可愛らしいショートブーツを履いていらっしゃったんですが、ほめるの忘れました。

60名定員の所、整理番号が38番だったので油断していたら入場は先着順で、集合時間の15:45ぎりぎりに行ったら3列目25番目くらいでした。

DSC01719M 
▲書泉ブックタワーのイベントスペース

担当編集者の方との掛け合いで進行します。編集者の方、お若いせいか、進行がに所々突っ込みどころがありました。

冒頭から「この本をお書きになったきっかけは」、「うーん、まあ依頼されたからですね」。

実際には、「二十歳の頃に『漂流教室』(楳図かずお)みたいなお話を書きたい」と思ったそうなので、30年以上前に読んだマンガがきっかけのようです。なお、新井素子さんも再三主張しているように、実際のお話は『漂流教室』とは全然違う内容です。

ストーリーの進行中に大災害がないことを考慮して、阪神大震災と東日本大震災の間に設定したそうです。ただ、2012年と1996年を行ったりきたりするので、日付と曜日をよく間違えたそうです。ここは編集さんのチェックが重要ですね。

日曜だと思って書いていたら、実は月曜だったとか(そうすると会社に行くシーンを追加しないといけない)、そういう苦労は多かったようです。

また、新井素子さんは1996年と2012年のカレンダーを出すのに苦労されたようです。Outlkookとか、Webベースのスケジュール帳とか使っていればすぐ分かるんですが、そのへんのツールには疎いようで、ここも編集さんの出番だったとか。

「なんで成人式の日が変わる(変わった)のか」「春分の日は年によって違うのは面倒」などの泣き言が聞かれました。

また「あとがき」にもあったように、登場人物が勝手に動き出して、話が全く終わらない。450枚くらいの話の予定で、150枚くらい書いてから連載を開始したのに、全く終わらない。終わりが見えたのは2ヶ月ほど前(つまり「あと2回くらいで終わりそうです」ということ)だそうです。

編集的には「面白ければ(終わらなくても)何とかなる」と思ったそうですが、結構大変だったんじゃないかと思います。実際、新井素子さんを昔担当した人に相談して回ったようなこともおっしゃってました。

それでも、2年間の連載で毎回40枚、原稿を落とすこともなかったことに対して編集の方がお礼を言うと「私はふつうです、私以外の人が遅いんです」とおっしゃってました。

伸びに伸びた連載は、最終的に1割ほどカットして単行本に収録されたそうです。

しかし、この「お話が終わらない」は前にもどっかで(何度か)聞いたことがあるような気がします。でも、作中人物が勝手に動き出して、展開が読めないのは案外楽しいとおっしゃってました。

「未来へ……」には成人式を迎えた女性が登場するのですが、新井素子さんにはお子さんがいらっしゃらないので、つてを頼って取材をお願いした母子がいたそうです。その2人が、適度な距離感を保ったまま仲が良く、作品にずいぶん影響を与えたそうです。もっと親を疎んじるのかと思ったようですね。

私たちの世代(私と新井素子さんは1歳違いです)とは親子関係も変化しているようで、私の経験からも、総じて親子は仲が良くなっているみたいです。

新井素子さんも作家生活35年、途中で書くのがおっくうになってきた時期もあったそうです(おっくうだったか、いやだったか、表現は忘れましたがネガティブなものです)。最近はまた楽しくなってきて「仕事は楽しい方が絶対いいでしょう」という言葉に、会場全体が大きくうなずいていました。

前に、かがみあきらさんに「この文体で30歳になったらどうするんだ、と言われてたけど、そのままだったね」と言われたそうですが、本当に同じ文体で35年間続いています。この辺の背景は最初に紹介した「SF小説『.....絶句』(新井素子)について」を見てください。

文体は変わらないんですが、最近の作品「イン・ザ・ヘブン」とか「未来へ……」を読むと、文体はそのままで、作品に対する深さとか感動の度合いとかがずいぶんと進歩したように思います。本人の努力(努力しているという感覚はないかも知れませんが)のたまものなのでしょうね。

「ただ、体力は落ちました。自分の体力もそうなんですが、登場人物が走ると、ちょっと休ませてあげるようになった」という話はしていらっしゃいました。

このあと、なぜか囲碁談義。囲碁のサークルに入っていらっしゃるそうですが、この辺は省略。

 

質問コーナー

そして質問コーナー、サイン会参加者にはあらかじめ用紙が配られており、質問が書けます。

有名な作家の面白いエピソードを紹介してください。

星新一さんは、前屈したとき手のひらがぴったり床に付く。あの長身で「最近運動してるんですよ」と突然立ち上がって前屈されたのでびっくりした。

注: 星新一氏の長身は有名で「SF作家クラブには星新一より背の高い人は入れない」という噂があったくらいです。

夫をぬいさん好きにする方法を教えてください。

反則技を使います「おーい、夫」(ふつうに客席に座っていた夫君登場)
一緒に寝ることじゃないですか

注: 婚約時代にフライデーという写真週刊誌に載ったのと、「…‥絶句」の冒頭にフルネームが登場すること、結婚物語などのエッセイに登場することから、ファンの間でその存在はよく知られています。また、新井素子さんはぬいぐるみ好きで有名で、質量ともに他の追随を許さないのではないかと思います。

今でも鶴を折りますか

本を読むときの癖なので(手元を見ずに折る)、今でも3日で1,000羽は確実。ただ、今は机ではなく寝っ転がって本を読むので、台がないから折っていない。

問題は紙の調達で、1枚の折り紙を16等分するのが最適なのに、その作業が大変。

昔はよくプレゼントしたけど、処分に困るので、七夕飾りと一緒に燃やしたりした人もいる。夫にも、独身時代はちょっと風邪を引いたら千羽鶴を折っていた。引っ越しのときに(引っ越し屋さんが?)大量の千羽鶴を見て「どんなに病弱なんだ」と思われたかも(注: 結局処分したそうです)。

作品を演じてもらいたい声優さんはいらっしゃいますか

実は声優は全く知らないので分からない。広川太一郎さんだけが例外。もともと、海外ドラマの吹き替えで見て、そこから名前を覚えていた。

注: この質問は「星へ行く船」シリーズの太一郎さんは、広川太一郎さんをイメージしていた話がベースになっています。

書き直したい話はありますか

今書き直したら確実に違う話になるので、それだったら新しいお話を書きたい。

つらいことをストレートに原稿にぶつけますか、昇華してから書きますか

体験を直接書くタイプではないので、昇華といえば昇華。「未来へ……」も20歳の時の思いがやっと書けたくらい(注: ちなみに現在50歳代です)。

手癖で書いていますか

基本的には、登場人物に語らせるので「手癖といえば手癖」。100枚書いてみて、駄目なら書き直すというのが苦ではないのでできる。

注: すみません、これだ誰かに何か言われた話がベースだと思うのですが、私には分かりませんでした。

どの作品が好きですか

お母さんに、姉と妹のどちらが好きですかと聞くようなものなので、答えられません。

初めて読んだSF

意識したのは「ボッコちゃん」(星新一)、そこから星新一作品の解説を書いている人の作品に進んだ。父がSFファンなのでだいたい何でもあった。それから平井和正さんのウルフガイシリーズに進んだ(注: ウルフガイのファンなのは有名です)。

新井素子さんのタイトルといえば「…」ですが(笑)、「.....絶句」だけ点が5つなのはなぜ?

力強く「点5つが正しい」。他は活字になる都合で、仕方なく3または6。でもパソコン使い出してから私も点4または6になってる。

注: 私の質問です。質問内容でちょっと笑いが起きたので満足です。回答も予想が裏付けられて満足です。当時もらったファンレターの返事です。1983年ですね。

IMG_2139
▲当時既に「これからは返事は書きません」と宣言していたんですが、実は返事がありました(基本的にはコピーで最後に少しだけ自筆の分がありました)。
「まるまる新井素子」の写真を見て「執筆に使っている鉛筆は三菱ユニですか」と聞いたら「ハイユニです、惜しい」というお返事でした。その後も何度か葉書をいただいています(文面はコピーですが)。

第13あかねマンションのその後は?

あまり時期を特定するようなことは書いてないけど、さすがに携帯電話が出てからストーリー進行が全く変わってしまった。第13あかねマンションはすべてが昭和なのでちょっと難しい。(第13あかねマンションを出入口に使う)「扉を開けて」シリーズは別だけど。

注: 第13あかねマンションは、初期の新井素子作品で、作品を越えたハブとなる場所で、ある種の聖地です。なぜ第13あかねマンションがこんなことになったのかは「…‥絶句」を読んでください。


...絶句〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

...絶句〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)

好きなキャラクターは?(確かこんな質問)

「暗殺教室」の殺せんせー(ころせんせー)、面白そうだけど残酷なやつだったらいやだなあと夫と話していたら、通りすがりの人に「それ、面白いですよ」と言われて買った。

「ふたりのかつみ」の続きは?

(絶句してました)

作家にならなかったら何になってた?

他の能力が低すぎるので、何かになれるとは思わないが、親親戚に講談社勤務が多いので講談社、でも私を採用してくれるかな。

本を読んでいれば満足だけど、編集者は意外に動き回るので、動かなくていい校閲者がいい。

好きな絵はありますか

夫が、絵というか写真を飾るので、いりません。広い意味での家族写真、まあ、ぬいさん(ぬいぐるみ)なんですけど。リビングだけで30枚くらい飾ってある。

日本シリーズどうでした

夫が動かないくなるのでやめてほしい

あらすじをまとめるとどれくらいになりますか

できていないお話のあらすじ(内容説明)だから長くなるので、できた作品のあらすじはそんなに長くない。けどまとめたくない。

注: 確か「扉を開けて」か何かで、あらすじを説明するだけで1冊越えるというエピソードがベースなんだと思います。

TwitterとかFacebookとかしないんですか

無理です

一番苦労した作品は

一番最近終わった作品です

ライトノベルと一般小説の違いは

ありません。売る側の都合です。SFとか恋愛小説とかは、読む人に情報を提供するために必要ですが、ライトノベルかどうかは関係ありません。

注: 新井素子さんの作品は、まだライトノベルという名前ができる前からありますが、氷室冴子さんなんかと並んで「ライトノベルの元祖」とされています。

「星へ行く船」完全版

進行していますが、来年のゴールデンウィークくらいかな。

  • 星へ行く船
  • 通りすがりのレイディ
  • カレンダーガール
  • 逆恨みのネメシス
  • 星から来た船

以上5作だが、3巻と5巻では長さが全然違う(注:「星から来た船」は上中下の3巻で出版)。でも、5巻シリーズの5巻目だけ厚いのはまあいいかな、と思ってる。あと既発表の短編「αだより」を付ける。

各巻に40枚くらいの短編を書き下ろすので、(「αだより」を除いて)4作。既に3作できています。水沢所長、麻子さん、中谷君の階段の話ができているので、あとは熊谷さんだけ。

ただ、装丁が難航している。

注:すべてコバルト文庫から出ていましたが、並べてみると1~4巻の厚みはそれほど変わらなかったはずです。

 

終わりに

ご本人の写真は、ちょっと迷った末に撮るのをやめました。許可を得て撮っている人もいらっしゃったので問題ないのでしょうけど、顔かたちで仕事をする人ではないので。

だらだらと書いた文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。新井素子歴には少々ブランクがあるのと、エッセイはあまり読まないので、質問の意味が分からなかった部分もありますが、ご容赦ください。

そして、もし。

もし、あなたが、このブログを楽しんでくれたとして。

もしもご縁がありましたのなら、いつの日か、また、お目にかかりましょう。


【追記】

3点リーダーの話は興味を持っていただいた方が多かったようで、質問した私としても大変嬉しく思います。

実は、当日、ノートを忘れてしまい、書泉のブックカバーの裏にメモしてました。

トークでは、囲碁の話がすっぽり抜けています。多くの人が出てくるんですが、お名前が聞き取れなかったので。

お友だちが「ヒカルの碁」にはまって、(その声優さんが登場する)ビデオゲームにはまって、うちでやっているうちに「よく考えたらここで本当の囲碁やったらいいんじゃね?」となったそうです。

碁盤はお友だちの自作(何しろマンガ家は縦横マス目を書くのが仕事)だったそうです。

あと、「人生で一度だけ練馬以外に住んだ、7ヶ月だけ」という話もあったんですが、地名が聞き取れませんでした。住民税は練馬にしか払ったことないそうです(確か年始の住所で決まったはず)。

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2014年11月15日 (土)

乃木坂46、アグネスチャン、ジョーン・バエズ

会社の近くの定食屋に行ったら、「ご自由にお取りください」と乃木坂46のシングルが置いてありました。
この店、前にもこういうことがあったので、従業員がファンなんでしょうね。
前にもらってきたCDは全く印象がなく、誰かに上げたんですが、今回の「何度目の青空か?」はなかなかいい曲でした。

タイトル曲はそうでもないんですが、2曲目の「遠回りの愛情」、3曲目の「Tender Days」はなかなかいいですね。

こういうことはよくあることで、例えばアグネス・チャンがカナダの大学を卒業してからの復帰第1作シングル「アゲイン」は、A面のタイトル曲よりも、B面の「グッドナイト・ミス・ロンリー」の方が評判がよく、A/B面が入れ替えられたそうです(実際、「グッドナイト・ミス・ロンリー」の方がずっと良かった)。

「Tender Days」は、学生運動上がりの人がやっているそこらの特におしゃれでもない喫茶店という、いかにもありそうな状況。

しかし、学生運動当時のジョーン・バエズの位置づけとか、彼女たちは全く分からないのだろうなと、ちょっと不思議な気持ちになりました。

もっとも、歌っているのだから、もちろん知識としては学習したでしょうし、私だってそれほど良くはわかっていませんけど。

そして、乃木坂46といえば、北海道深川米(フカガワマイ)のPRをしている深川麻衣(フカガワマイ)が、相変わらず誰だか分かりませんでした。

北海道米については「北海道で米を作ることと、路上から武道館へ行くこと」をどうぞ。


▲「グッドナイト・ミス・ロンリー」アグネス・チャン

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