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2015年4月23日 (木)

澤村希美さんの写真の説明

MOBACO.さんバックバンドライブに出る」で紹介した澤村希美さん、ライブの写真がブログに上がりました(ぴくちゃーず。②)。

昔、写真を習っていたとき、課題発表で作品を発表している場で「なぜその写真を選んだのか説明してください」とよく言われました。

良い悪いを判断するのは簡単ですが、それを説明するのは決して簡単ではありません。でも、言葉で説明できれば、同じような作品をもう一度撮れる可能性が高まります。何がいいのか言葉にできなければ再現できないので、偶然を待つ必要があります。

そういうわけで、いい写真を見たら、(人に言う言わないは別にして)言葉で説明するように心がけています。

なお、人の作品を説明するのは、作品を分解してばらばらにしてしまうような行為なので、嫌う人もいます。伝えるときは覚悟をしてください。

では、奈良さんが撮った澤村希美さんの写真の説明です。写真そのものはリンク先へどうぞ。

ぴくちゃーず。②」から

4枚目

顔が白く飛んでますが、口を開けてマイクを持っていることから、しゃべっているか歌っていることが分かります。でも、顔は隠れていません。

声量や本人の癖もあるんですが、ステージ写真はしばしばマイクで顔が隠れてしまいます。この写真は顔全体が写っています。

6枚目

顔にしっかりピントが合っていて、表情がよく出ていますが、両手がぶれていて動きが感じられます。

1枚の写真の中にぶれているところ(動いているところ)と、ぶれていないところ(静止しているところ)の両方が含まれていると効果的に動作を表現できます。

ジャンプしているときなどは、全体が静止していても動きが感じられますが、こういう写真で全体が静止していると単に手を上げているように見えてしまいます。

逆に、全体がぶれているとピンぼけと区別が付かず、何の写真やらさっぱり分かりません(これが「手ぶれ」)。

ヘドバンなら顔が動いているのも効果的ですが、一般的には顔を静止させて手足が動いているのがいいでしょう。

ステージ写真の場合、ライトの位置も重要です。画面左側に半分見えている強い光がアクセントになって、バックの青と緑が主役を引き立たせています。

7枚目8枚目

ステージライトの関係でうつむいていると顔がかなり暗くなるんですが、ちゃんと写っています。他の写真は、ステージライトに引っ張られて全体が明るくなってしまうのが、ここでは逆に良い効果を生みました。

うつむいているのはネガティブな印象を与えがちですが、表情がきちんと見えるので、真剣な感じが出ています。

9枚目

今度は上を向いているシーン。上を向くと明るい印象を与えます。この写真は頭のバックにライトがかかっていて、さらに明るい感じになっています。

上げた右手の下、あるいは右手に少しかかるくらいのところにライトがもう1つ入ればもっと良かったと思います。

10枚目

これも、顔が静止していて手が動いている写真です。両手とも、横にライトが入っていて、ステージだということがよく分かります。完全な対象ではなくて、左のライトが強くなっていることで、動きのある感じが出ています。左右対象だと安定した感じになってしまいます(たとえば富士山)。

11枚目

口の開け方とか表情が絶妙のタイミングです。私が撮るときは、歯並びのきれいな人は「あ」を発生しているとき、ちょっと歯を隠したいときは「え」「お」あたりを狙います。この写真は「あ」でしょうか。

でも、構図はちょっと惜しい。右手がぶれていて、動きはあるんですが、下になっていてよく分からない。顔にかかったライトはいいんですが、その他のライトも手も左右対称になっていて、安定した感じになってます。いずれも、露出が顔に合っておらず、白く飛んでますが、それはカメラの設定を変えれば簡単に直るので、次回はきっと大丈夫でしょう。おそらく「マイナス1」くらいの補正でいいと思います。

12枚目

手が動いていて、顔が止まっていて、バックのライトも強い光と弱い光があって、いい感じです。ただ、手で顔が隠れてしまっているのが惜しいです。そもそも顔の露出が合ってませんけど、これはカメラのせいなので仕方ないです。

まとめ

いいと思った写真を説明してみました。

今どきのカメラは、シャッターを押せば誰でも写せるわけですが、被写体の捉え方はやはり個人差があります。奈良さんの写真は「ライブで楽しそうに動いている姿を伝えたい」という気持ちが伝わってきて、とてもいい写真だと思いました。

ガラケーだと、シャッターを押してから実際に撮影されるまでの時間差が大きいのですが、それでもこの瞬間を切り取れるのは、動きを事前に予測しているからではないかと思います。

長い付き合いがあればこその写真でしょう。いいものを見せていただきました。

カメラを変えたらもっといい写真が撮れるんじゃないかと思います。新しいカメラに慣れるまでは少し時間がかかるかもしれませんが、この機会に実売3万円台のカメラの入手をおすすめめします。

もっとも、形態ならではの写真っていう可能性もあるので、万一うまく撮れなくても責任は取れませんのであしからず。

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