「宇宙戦艦ヤマト」のストーリーと、月刊宮崎奈穂子10月公演「なんで泣きそうなんだろう」
月替わりセットリストで、宮崎奈穂子さんがほぼ毎週やっている定期公演「月刊宮崎奈穂子」、10月公演に行ってきました。
「月替わりなので、セットリストは来月まで秘密」、ということでブログをあんまり書いてなかったんですが、翌月になると記憶も薄れてしまい、なかなか書けませんでした。
プロットとストーリー
話は飛びますが、評論家で元アニメプロデューサーの岡田斗司夫さんが、マンガ家の島本和彦さんと対談をしていました。
そこで出たのが「プロットとストーリーは別である」という話です(拝啓マッカリー監督。ハリウッド版『宇宙戦艦ヤマト』のストーリーはこれでよろしく)。
たとえば「宇宙戦艦ヤマト」のストーリーをこう説明したとします。
地球が放射能でやられて、宇宙戦艦に乗って遠く離れたイスカンダルという星へ行き、放射能除去装置をもらってくる話
これは単なる「プロット」であり、これだけだと、もう「初めてのお使い」と変わりません。そうじゃないだろう、ということです。
岡田斗司夫さんだったらこう言うそうです。
地球が放射能に侵されているという絶望的な状況の中、一部の可能性にかけてコスモクリーナーDという装置を14万8千光年先にある存在するかも分からないイスカンダルへ取りにいくために、大好きな人たちが死んでいく中、屍を超えて地下都市へ逃げてなお、屈辱にまみれて地球艦隊というのを維持していく。
これを読んで、私だったらこう表現します。
放射能で汚染され、地球滅亡まであと1年とされたところ、14万8千光年先にある惑星イスカンダルへ放射能除去装置を取りに行く。若い宇宙兵士達は、百戦錬磨だが寡黙な沖田艦長に反発しつつ、成長していく様子を描いたアニメ。
何が言いたいかというと、ライブのセットリストはプロットであって、ストーリーではないっていうことです。だから、セットリストもネタバレもなしでブログを書きます。演出については期待をあおる程度には内容を書きます。
月刊宮崎奈穂子「10月! なんで泣きそうなんだろう」
「月刊宮崎奈穂子」は、いつも彼女の楽曲のフレーズからテーマを取っています。10月公演は「なんで泣きそうなんだろう」、これはデビュー曲「優しい青」の一節です。10月5日にデビュー8周年を迎えるからだと思います。
今回は「A面的」ということで、過去の楽曲からよく歌っていたものを選んだのだろうと思っていました。実際にどうだったかは書きませんが、意外な選曲もありました。
そうそう。 明日から始まる10月公演はA面的(いろんな意味での)、11月公演はそこでは語りきれなかったいろんな曲たちと、メインのとある曲、というある意味B面的なライブになりそうです☺ なりそうですというか、そういうことにしました☺︎笑よかったら、合わせてお付き合いください
— 宮崎奈穂子*月4回定期公演開催中@原宿* (@MiyazakiNahoko) 2015, 10月 3
曲を絞りきれなかったようで、今回演奏曲はいつもより多目です。そして、いつもより時間が延びます。来週も、きっと延びると予想します。お得と言えばお得ですので、10月ぜひどうぞ。
今月は「メガネなし公演」と宣言されていましたが、コンタクトを忘れて演奏中だけ眼鏡を外すという状況に。でもときどき取り忘れてました。来週以降、どうなるかは分かりません。いろいろ大変なので、当初の予定通りコンタクトになるのじゃないでしょうか。
セットリストは、あるテーマに沿って曲が披露されます。
1曲目は長いこと歌ってなかった曲でいろいろ失敗(笑)。さらに、途中で2曲ほど飛ばしてしまう事態が。古いファンの人は「あれ?」と気付いたかもしれません。
そして、しばらく封印していた曲を久しぶりに歌ったら、歌詞を間違えるというまさかの事態に。歌詞にはそれほど違和感がなかったので、そのまま押し切りましたが、表情が明らかに変わったので知らない人でも気付いたかもしれません。
いや、しかし、クライマックスのあの台詞を間違えるのは私もびっくりです。例えて言うなら「いちご白書をもう一度」で「就職が決まって髪を切って来たとき」と歌うはずが「卒業が決まって髪を切って来たとき」になった感じ(ちょっと違うか)。
最後の方では、観客と一緒にいろいろ。奈穂子さんの表情が、実に楽しそうでした。
アイドルユニットの「まなみのりさ」が、「アイドルをやってて、一番嬉しいのはお客さんが楽しんでくれること」と言ってましたが、どんな歌手でもそうなんだと思います。というか、どんな仕事でもそうですよね。
趣味で音楽を続けるのは難しくありませんが、2時間じっと聞いてくれるお客さんを確保するのは簡単ではないし、ましてお金を払って毎週30人も集めるのは大変なことです。
もちろん、世の中には一声かければ数百人集客できる人もいますが、人数の問題じゃないと思います。1回で1万人集めるアーティストだって、感謝の気持ちは変わらないでしょうし、その「場」の価値に違いはありません。
そういうことを思うと、こっちが「なんで泣きそうなんだろう」でした。
ところで、来月の「B面的」は何が入るのでしょう。
B面を書くと、A面が想像出来てしまうので難しいところですが、シングルにもアルバムにも収録されなかったあの曲とか、「歌・こよみ365」のあの曲とか、いろいろ想像しています。
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